• ゴフーとは
  • 誤報を通報

  • 国政
    • 内政
    • 外交・防衛
  • 社会
    • 事件
    • 災害
    • 地域
  • 経済
    • 企業
    • 生活
  • 海外
    • 米国
    • 中国
    • 北朝鮮
    • 韓国
  • 文化
    • エンターテイメント
    • サイエンス
    • スポーツ
  • トピックス
  • コラム
    • 小川和久
    • 郷原信郎
    • 新家竜介
    • 牧野洋
    • 楊井人文
  • 特集
  • 訂正
  • 国政
    • 内政
    • 外交・防衛
  • 社会
    • 事件
    • 災害
    • 地域
  • 経済
    • 企業
    • 生活
  • 海外
    • 米国
    • 中国
    • 北朝鮮
    • 韓国
  • 文化
    • エンターテイメント
    • サイエンス
    • スポーツ
  • トピックス
  • コラム
    • 小川和久
    • 郷原信郎
    • 新家竜介
    • 牧野洋
    • 楊井人文
  • 特集
  • 訂正
ホームコラム「在日米軍基地の7割超が沖縄集中」は間違い ...
前へ 次へ

「在日米軍基地の7割超が沖縄集中」は間違い

米海兵隊普天間航空基地 Photo by Sonata
PR
小川 和久, 2014年12月11日

日米開戦記念日の12月8日の朝、こんな記事が目に飛び込んできました。

辺野古移設 「長期的解決にならない」 米国防省元幹部

 日米両政府が進める米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設について、対日政策に詳しいジョセフ・ナイ元米国防次官補(現米ハーバード大教授)が「長期的には解決策にならない」と述べた。中国の弾道ミサイルの射程内にある沖縄に米軍基地が集中する現状を変えるべきだ、とも指摘した。

 今月初めに朝日新聞の取材に答えた。ナイ氏は『中国の弾道ミサイル能力向上に伴い、固定化された基地の脆弱(ぜいじゃく)性を考える必要が出てきた。卵を一つのかごに入れておけば(すべて割れる)リスクが増す』と指摘。在日米軍基地の7割超が沖縄に集中していることは、対中国の軍事戦略上、リスクになりつつあるとの見方を示した。

 普天間飛行場の辺野古移設については「宜野湾市での航空事故などの危険を減らすことになる」とし、短期的な解決策としては有効だと指摘。そのうえで「長期的には解決策にはならない。固定化された基地の脆弱性という問題の解決にならないからだ」と述べた。(12月8日付け朝日新聞朝刊)

日本の新聞の1つの欠点は権威主義です。とかく相手の肩書きや経歴で評価し、判断してしまう傾向があります。だから、日米関係というと朝日も読売も、リチャード・アーミテージ氏(元国務副長官)、ナイ氏(元国防次官補)、マイケル・グリーン氏(元国家安全保障会議上級アジア部長)…とワンパターンになってしまいます。

私もアーミテージ、ナイ、グリーンの各氏とは面識がありますし、日本の同様の立場の人々より優れていることも認めます。だから、ナイ氏の言説についても全面否定したりするつもりは毛頭ありません。

しかし、彼らも知らないことは知らないのです。そして、問題点を指摘したり、こちらから説明すれば、ちゃんと耳を傾ける人たちです。問題は、日本側が問題点を指摘したり、反論したり、主張せず、彼らの言説を垂れ流しで報道することになる点です。それが一人歩きして権威を備えてしまう。その結果、日米の世論をミスリードすることが、これまでに何度、繰り返されてきたことか。

ナイ氏の発言で日本人が最も参考にすべきは、アングロサクソンの家庭教育の中に貫かれている「ひとつのバスケットに卵を入れるな」というリスク分散の発想でしょう。危機管理でも重要なポイントです。

沖縄の米軍基地が中国の弾道ミサイルの射程圏内にあるという脆弱性の指摘にしても、その部分だけをとれば間違っていません。

しかし、ナイ氏は優れた国際政治学者であっても軍事専門家ではありません。だから、日本列島に展開する米軍基地を出撃機能の側面からしかとらえることができていません。表面的な理解で語っているのです。

〈左〉ジョセフ・ナイ元米国防次官補(現米ハーバード大教授) Photo by Chatham House

例えば、「在日米軍基地の7割超が沖縄に集中していることは、対中国の軍事戦略上、リスクになりつつあるとの見方を示した」という部分です。

これまでも繰り返し述べてきたように、日本列島に展開している83カ所の米軍基地は米国にとって2つとない戦略的根拠地を形成しており、出撃機能だけでなく、ロジスティクス(補給・兵站)と情報(インテリジェンス)の機能が米国本土のレベルに維持されているのです。

そして、人間の身体にたとえれば沖縄に置かれた米軍基地は強力な筋肉の性格なのに対して、本州、九州に置かれているのは頭脳、心臓、肝臓、中枢神経といった機能です。

沖縄に置かれた出撃機能に対するリスクを否定するつもりはありませんが、それを標的として中国が軍事力行使の誘惑に駆られることはあり得ないのです。

企業にたとえれば、ほかの同盟国が支店か営業所なのに対して、日本に置かれているのは本社機能です。だから「戦略的根拠地」と表現し、米国は旧ソ連、中国、北朝鮮に対して「日本列島に対する攻撃は米本土に対する攻撃とみなす」と表明してきました。日本列島に手を出すと、核兵器で反撃するとほのめかしていた時代もあったほどです。

いかに弾道ミサイルの射程圏内に収めようとも、中国が沖縄の米軍基地を攻撃するのは、米国との全面戦争を覚悟した場合に限られ、それが現実のものとなる可能性は少ないことはいうまでもありません。

また、「在日米軍基地の7割超が沖縄に集中している」という言い方は間違いです。「在日米軍基地の面積の7割が」というのが正確な表現で、それはハンセン、シュワブなどの広大な海兵隊基地と演習場が置かれている結果なのです。いかにも主要な米軍基地の機能の7割もが沖縄に集中しているような言い方は、日本のマスコミが好んで使ってきた誤った表現なのです。

このように、ナイ氏の言説は戦略的根拠地・日本列島に展開する米軍基地の実態を把握しておらず、「在日米軍基地の7割超が沖縄に集中している」という表現も、日本のマスコミの言い方に乗っかっている面があることを知る必要があるのです。

朝日新聞は、そのナイ氏を「対日政策に詳しい」としていますが、まるで軍事専門家のような扱いです。これでは誤解を増幅するだけです。

このインタビューには、朝日新聞の記者が疑問を呈したり、突っ込んだ質問を試みた形跡も見られません。ナイ氏の語ったことをコンパクトにまとめただけというのは酷かも知れませんが、そう言わざるを得ない内容です。

かくして、ナイ氏に代表される米国専門家の言説が権威を持ち、一人歩きし、日米の世論を形成していく…。この問題でも、ジャーナリズムの責任は重いと言わざるを得ません。

* 編集注 この記事は、会員制メールマガジン『NEWSを疑え!』第355号(2014年12月11日号)より了承を得て一部転載しました。

  • (初稿:2014年12月11日 20:03)
PR

タグ: 朝日, 沖縄

共有
Tweet

小川 和久

執筆者について
小川 和久

静岡県立大学特任教授、国際変動研究所理事長。

関連記事

レーダー照射と韓国のファクトチェック

【小川和久】 韓国のファクトチェックへの取り組みは日本と比べ先進的な印象があるが、軍事問題に関するチェックは容易ではないようだ。 ...

元日の虚報 「改憲勢力3分の2で発議加速」

【楊井人文】新聞各紙は元日に「改憲『3分の2維持』なら加速」と報じたが、これまでの経緯をみれば「幻想」であることは明らかではないか。 ...

ファクトチェックの二つのアプローチ

【小川和久】 ファクトチェックを進めるうえでのアプローチには大別して2つあると考えられる。 ...

米朝関係の報道でマスコミ各社は政府に踊らされてないか

【立岩陽一郎】北朝鮮は日本政府との拉致問題の対話にオープンな姿勢を示したと各社が報じている。こうした報道はどこまで信用できるのだろうか? ...

トランプ大統領は米朝会談で拉致問題を提起すると約束したのか

【立岩陽一郎】メディア各社がこのところの米国のトランプ大統領の発言に右往左往している。6月7日に行われた日米首脳の共同会見についても、正確さを欠く報道が散見される。 ...
Sponsored
  • kc

    基地の7割があると言う事に以前から疑問でした。なぜなら小さい島に7割だと日本全体からすると米軍の量は少ないと思ったからで理解できました。

  • bit by bit

    こちらの記事の方が誤解を招くような気が致します。
    「7割」というのが間違っているというのであれば、指摘すべき点は「米軍専用施設面積」です。
    また、タイトルの内容から少し離れた内容を先に記述し、本題を記事の後半に記述しています。初めに記述すべきです。
    タイトルが7割=誤りという印象を恣意的にあなたが作られたものとしか、私には解釈できませんでした。
    このタイトルもあなたのおっしゃるナイ氏の言説同様、注釈を付けられずにひとり歩きする可能性も否定できません。
    そもそも、ジョセフ・ナイさんが日本語でそう話したのか疑問です。翻訳の過程で内容が変わる可能性にも触れていません。

  • けんたろう

    かなり誤解を招く記事ですね。と言うより意図して誤解させようとしています、が正しいか。北部訓練所やハンセンも含まれてるから比率が上がる、とされているが、それらを省いて、同時に北海道などの殆ど米軍が使っていない一時利用施設も省いてみたらどうなるだろうか?そのような解釈で負担を比較するのにはかなり無理がある。実質負担を知る上でこのような記事はかなり質が悪いと言わざる得ない。

PR

キーワード

読売 朝日 毎日 産経 日経 共同 時事 北海道 東京 中日 西日本 地方紙 NHK 訂正報道あり レベル7 レベル6 レベル5 レベル0 慰安婦 憲法 北朝鮮 衆院選2014 参院選2016 総選挙2017 歴史認識 美濃加茂市長事件 原発・エネルギー 沖縄 沖縄知事選2018 万能細胞 報道改革 安保法制 TPP 消費税 靖国神社 吉田調書

誤報レベル

報ステの発言「労働人口が減ったから有効求人倍率は当然上がる」は間違い

辻元氏公認申請の偽情報 「220万以上リツイート」された?

加計問題 朝日は加戸、八田両氏の証言を報じなかった?

自民公約から「女性活躍」消えた? 毎日の社説に事実誤認

希望•民進合流 朝日、毎日の報道は「反安倍ならとにかくOK」だった?

新党結成 前職は政党要件でカウントされない?

「ミサイル発射は安倍首相のせい」の文言確認できず 産経の見出し不正確

上昇中のミサイルをトマホークで迎撃? 毎日新聞がイラスト削除

韓国が派遣拒否した米爆撃機、核攻撃能力なしと訂正

「国籍選択は努力規定」は誤報 朝日、解説記事を訂正

過去の記事

  • 2019年2月 (1)
  • 2019年1月 (1)
  • 2018年9月 (1)
  • 2018年7月 (1)
  • 2018年6月 (2)
  • 2018年5月 (5)
  • 2017年10月 (7)
  • 2017年9月 (3)
  • 2017年7月 (1)
  • 2017年5月 (4)
  • 2017年4月 (7)
  • 2017年3月 (6)
  • 2017年2月 (4)
  • 2016年10月 (8)
  • 2016年9月 (5)
  • 2016年8月 (6)
  • 2016年7月 (2)
  • 2016年6月 (1)
  • 2016年5月 (6)
  • 2016年4月 (5)
  • 2016年3月 (15)
  • 2016年2月 (15)
  • 2016年1月 (19)
  • 2015年12月 (10)
  • 2015年11月 (6)
  • 2015年10月 (6)
  • 2015年9月 (7)
  • 2015年8月 (18)
  • 2015年7月 (12)
  • 2015年6月 (16)
  • 2015年5月 (17)
  • 2015年4月 (8)
  • 2015年3月 (25)
  • 2015年2月 (28)
  • 2015年1月 (33)
  • 2014年12月 (41)
  • 2014年11月 (30)
  • 2014年10月 (6)
  • 2014年9月 (5)
  • 2014年8月 (5)
  • 2014年7月 (7)
  • 2014年6月 (5)
  • 2014年5月 (7)
  • 2014年4月 (12)
  • 2014年3月 (5)
  • 2014年2月 (6)
  • 2014年1月 (4)
  • 2013年12月 (9)
  • 2013年11月 (14)
  • 2013年10月 (10)
  • 2013年9月 (5)
  • 2013年8月 (3)
  • 2013年7月 (7)
  • 2013年6月 (8)
  • 2013年5月 (8)
  • 2013年4月 (5)
  • 2013年3月 (3)
  • 2013年2月 (9)
  • 2013年1月 (7)
  • 2012年12月 (4)
  • 2012年11月 (10)
  • 2012年10月 (11)
  • 2012年9月 (7)
  • 2012年8月 (5)
  • 2012年7月 (5)
  • 2012年6月 (2)
  • 2012年5月 (4)
  • 2012年4月 (4)

お問い合わせ


1+1=
お問い合わせ(SSL対応)はこちら
一般社団法人 日本報道検証機構

GoHoo(ゴフー)は、マスコミの報道を検証するウェブサイトです。GoHooは、一般社団法人 日本報道検証機構が運営・管理しています。

ソーシャル

29523
フォロワー
Error: (#4) Application request limit reached
306
チャネル登録
購読
RSSフィード

最新ツイート

  • 【収録放送の公開】昨日放送予定だったニコ生番組「ファクトチェックニッポン」の一部が公開されました。 https://t.co/bKxMAPEVsy
Copyright © 2013-2015 WANJ.
  • アカウント
  • カート
  • 利用案内
  • 各種規約
メニュー
  • 国政
    • 内政
    • 外交・防衛
  • 社会
    • 事件
    • 災害
    • 地域
  • 経済
    • 企業
    • 生活
  • 海外
    • 中国
    • 北朝鮮
    • 米国
    • 韓国
  • 文化
    • エンターテイメント
    • サイエンス
    • スポーツ
  • トピックス
  • コラム
    • 小川和久
    • 新家竜介
    • 牧野洋
    • 楊井人文
  • 特集
  • 訂正
  • キーワード(メディア別)
    • 読売
    • 朝日
    • 毎日
    • 産経
    • 日経
    • 共同
    • 時事
    • 北海道
    • 中日
    • 西日本
    • 地方紙
    • NHK
  • キーワード(誤報レベル別)
    • 訂正報道あり
    • レベル7
    • レベル6
    • レベル5
    • レベル0
  • キーワード(テーマ別)
    • 美濃加茂市長事件
    • 慰安婦
    • 衆院選2014
    • 報道改革
    • 原発・エネルギー
    • 沖縄
    • 万能細胞
    • 安保法制
    • TPP
    • 消費税
    • 靖国神社
    • 吉田調書